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理学部「生物英語」 |
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みなさん「みどり樹」という大学の広報誌をご存知ですか?大学のいろんなところに置いてあるので、見たことがある人も多いのではないでしょうか。
今回YUM!では広報部のほうからお話をいただき、「みどり樹」6月号に記事を掲載させていただくことになり、先日取材に行ってきました。
「みどり樹」には掲載しきれなかった部分もあったので、今回は「みどり樹」増量版でお届けします!
今回は理学部学部長、玉手教授の授業を取材させていただきました。みなさんは「理学部の授業」というと、思い浮かべるのは実験ではないでしょうか。しかし今回お邪魔したのは「生物英語」の授業です。理学部での英語の授業とはどんなものでしょうか?
はじめに玉手先生のほうから、授業の方針についてお伺いしました。
大学で英語を学ぶ目的は二つあると思います。将来仕事などでグローバルなコミュニケーションをとるための他に、自分の研究を深めるために日本語で書かれた文献以外も読めるようになるため、というのも挙げられます。科学技術に関する英文は論文の他にも、輸入品の技術マニュアルや特許情報などがあり、それを正しく把握することが必要です。
「生物英語」の授業で大切にしているのは、この「内容を正確に把握すること」だそうです。今回取材させていたYUM!スタッフは二人とも人文学部で、文献を読むときは大意をつかむことを意識しています。それに対し理系分野の研究文献を読む時に、具体的な数値や名称を大まかに訳してしまうと内容が変わってしまうことがあります。そのため科学技術英語の文脈で使われる単語を1つ1つ正しく訳す必要があります。
その場で初めて読む文章を正確に把握するために、授業の初めに単語テストを行っています。文系分野の時制の複雑な文章とは違い、理系分野の文章は現在形・過去形中心の単純な時制で書かれます。しかし先述したようにその分野独特のボキャブラリーが必要になります。単語テストでは生物分野で扱われる意味を問います。「何も見てもいい」とのことだったので私たちも取り組んでみましたが、全く調べない状態ではこの通り……
「Mercury」を自信満々に「水星」と回答しましたが、科学分野での使われ方は「水銀」という意味でした…
その後英文の記事が配られ、40分程度かけて訳します。
今回の授業で使われていたのは、学術雑誌「Nature」のシロアリについての記事でした。私も訳してみたのですが、要約すると「社会性昆虫であるアリは利他的(自分が犠牲になることで、集団に利益をもたらす)行動をとる」という内容でした。
働きアリが年老いると、餌をとることや育児に貢献できなくなり、敵へ向かって自爆することで巣を守るそうです。生物の論文を読むのは初めてでしたが、確かに専門用語を除けば時制は単純で読みやすかったです。
そして授業の最後に記事についての設問に答え、自習までの課題として全訳が出されます。先生から解説があるのは10分程度で、ほとんど生徒が主体となって学習する反転授業形式でした。
授業中はもちろんみなさん真剣に文章に向き合っていましたが、授業前の事務連絡や最後の解説では先生のユーモアのあるお話で笑いの起きる、和やかな雰囲気でした。
生徒の方にインタビューしたところ、「英文の文献を読むことに抵抗がなくなってきた」という声もあり、英語力はもちろん、個人の研究にも役立っていると感じました!
今回理学部という真逆の専門にお邪魔しましたが、内容はもちろん雰囲気なども新鮮でした!また機会があればいろんな学部の授業に取材に行きたいと思います(*´▽`*)「うちの学部の○○先生の授業が面白い!」という情報があればぜひ教えてください♪
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