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【高校生向け】大学の授業の今更聞けない話 |
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高校生(以下H)「大学生って普段どんな授業なんですか?」
大学生(以下U)「大学になると、授業だけではなく『講義』とも呼ばれるね。
もちろん自分の学部や学科に合わせての『専門』の講義を受けることが多くなるけど、
山形大学では『基盤教育』という『基礎教養』を主に1年の間に学ぶんだ。
学部によってそれぞれ必要な授業数なんかも違うから一概には言えないけどね。」
H「なるほど。その『基盤教育』にはどのような講義があるんですか?」
U「その講義の名前や内容を説明したものもあるから、それを見て自分に合う講義、やってみたい講義を選ぶといいね。
だけど実際は、友人がとるから、先輩が楽だと言ったから、なんて理由も多いから少し残念だね。」
※あくまで大学生の議論です。ほどほどに受け取ってください。
第1回 「ゲーム理論」は楽しそう?
H「楽しそうな名前の講義がありました!」
U「名前だけで判断すると、後で痛い目に会うよ? どの講義だい?」
H「この『ゲーム理論』っていう講義です!」
U「なるほど・・・・・・。どんな講義だと考えているんだい?」
H「え~と・・・・・・、ボードゲームの理論とか、トランプの話とか?」
U「やっぱり。少しだけゲーム理論の話をしてあげようか。」
<大学生が「ゲーム理論」を少しだけ解説してみた>
ゲームというと、何かの試合やトランプなんかの遊び、それこそ徒競走なんてのも含まれる。
ゲーム理論でいうゲームというのは「複数人の間での駆け引き状況」という感じで覚えて欲しい。
単純な例を挙げてみよう。
チキンゲーム:二人の人物が直線の道を両側から全速力で車を走らせる。
二人とも直進するとぶつかってしまう。途中で曲がるとチキンとバカにされてしまう。
二人とも曲がれば引き分け。あなたはどうする?
というゲームを考えてみよう。
相手が曲がるとわかっていれば、直進する方が勝ちなわけで直進をする。
しかし、相手が直進するならば、自分が直進したらケガをするし、曲がればチキンになってしまう。
相手がどうでるかを考え、自分の最適な行動を選択する・・・・・・。
それぞれの行動パターンを戦略プロファイルといい、それぞれの利得を考えて最適な行動を探す。
簡単なようで深い話なんだ。
これを専門的に深くしていくと、
「どちらの場所に企業展開するとより儲けが出るか」
「どの選択肢をとると、全員が最高の利得を得る」
なんていう問題を解決することもできるかもしれない。
H「ゲームってそういう意味なんですか」
U「今のは初歩にもならないほどの初歩な話だし、実際に大学で学ぶとしたら、
数学的な知識や専門的な考えが必要で、
名前につられて後悔する人が実際いるからね。」
H「なるほど・・・・・・。もう少し考えて選ばないとですね」
U「そうだね。でも、興味があるなら積極的に学ぶといいよ!
大学は未来のチャンスを自分で見つける場所だからね!」
第2回 「心理学」って種類があるの?
H「文系でも理系でも『心理学』って良く聞きますよね?」
U「良く聞くかは別として、大学の講義でも『心理学』はあるね。」
H「本当だ! あれ、でも『認知心理学』ってのもあります。何が違うんですか?」
U「そうだね。少しだけ解説してみようか。」
<大学生が心理学を少しだけ話してみた>
心理学、と一言で言っても昨今では様々な分野に広がっている。
例えるなら、色によって人の感じ方は違う。その人の心理を研究する「色彩心理学」。
他にも、人が使う言語の意味ではなくとらえ方などを研究する「言語心理学」。
細かくすれば様々な分野にまたがる学問なんだ。
山形大学ではだいたい次の二つにわかれるね。
「心理学」これはよく聞く人の考えや行動にいたる全般の学問だね。
「認知心理学」こっちは上の心理学より、認知、つまり考えて認識する部分の研究かな。
簡単に言ったから、厳密にはそれぞれ違うかもしれないけど雰囲気はつかめるかな。
さて、「認知心理学」について少し掘り下げてみようか。
認知心理学は学問の中ではまだまだ赤ちゃんなんだ。
だからすぐに最先端の研究まで触れることができる。
しかし、その考え方は独特でね。
「人間の心理を、コンピューターで表す」といった方面になるね。
コンピューターの情報処理と人の情報処理が近いという発想だね。
だから工学部のように情報関連のコースの人がやることが多いね。
U「一つの学問にも種類があるんですね。」
H「ここで今言ったのは、本当に初歩だからね。興味があるなら本もあるから読むといいよ。」
U「心理学ってなんかカッコイイですよね!」
H「ドラマとかでも良く聞くからね。でも、専門的にやるなら大変だよ。」
U「自分の目指す先を今から考えておく必要がありますね。」
H「夢を見るのは、起きてるときにできるからね。」
第3回 「山形に学ぶ」って何を学ぶの?
H「山形大学には『基盤教育』ってあるんですが、これってなんですか?」
U「学部1年生は全員『小白川キャンパス』で講義を受けることがほとんどなんだ。
そこで受けるのが『基盤教育』だよ。
具体的に言うと、多種多様の学問の基礎を学ぶ講義、
スポーツ科学の基礎や実際にスポーツをする講義、
大学生として必要な知識や技術を教わる講義、
山形について様々な知識を伝える講義などなどがあるよ。」
H「すごいたくさんの種類があるんですね!
なんか楽しそうです!
あの・・・最後の『山形に学ぶ』って大学生になって、ですか?」
U「確かに不思議かもしれないね。よし、少しだけ解説してみようか。」
<大学生が山形に学ぶを少しだけ語ってみた>
「山形に学ぶ」はその名前の通り、「山形県に関する様々なことを学ぶ」講義だね。
・歴史 ・有名人について ・食文化 ・地域 ・風習 などなど
ジャンルは多種多様あって自分の興味あるものを選択できるんだ。
なぜ大学生にもなってそんなことを知らないといけないんだっ!
なんて言う人も少なくない(記者のまわりにはいる)けど、
4年間住む山形について知ることは大切なことです。
もちろん、山形に元から住んでいた人でも、知らないことがほとんどです。
例えば、どうしてこの町はこんな形をしているのか?
どうして山形ではこの作物が有名なのか?
どうして・・・という疑問の答えがきっと見つかるでしょう。
さてさて、ここまで見ても「だから何?」って人はいるでしょう。
その人は、算数で「1個と2個で3個だよ」って教わっても
おそらく同じことを言うでしょうね。
学ぶ理由の一つは『知識の幅を広げる』ことです。
自分の視野を広げ、柔軟な考え方を学ぶ。
それには数学や理科だけではなく、広く知る必要があるのです。
もう一つの理由は『人に話すことができる』ことです。
不思議に思うかもしれませんが、すごく素晴らしく大事なことです。
入試面接や入社面接みたいな場でも質問されることがあるそうです。
ふとした時に仕える知識としては自分の暮らす町は良いものです。
H「せっかくの大学生だからこそ、学ぶ意味のあることがある。」
U「聞いていたら知ってみたくなりました!」
H「難しく考えず、楽しめると思うよ。」
H 「そうそう、最近は『リーダーシップ強化』や『実際の演習』も増えたよ!」
U「地域を知り、地域と学び、自分を磨く講義!」
H「その意気で大学生活を楽しんでください。」
第4回 「経済学」のミクロとマクロって?
H「経済学って高校だと『現代社会』のようなものですか?」
U「現代社会に内包されているといえばされているね」
H「具体的にどう違うんですか?」
U「僕らが生きる、この社会や世界という範囲での経済活動、かな」
H「え~と・・・・・・貿易とか需要供給とかですか?」
U「そうだね。心理学と同様で種類があるから少し解説しようか」
<大学生が「経済学」を少しだけ解説してみた>
経済学と一口で言っても、その対象が少し異なるんだ。
よく耳にするのはこの3種類じゃないかな。
・ミクロ経済学:近代経済学の一つ。経済主体の最小単位として個を対象にする。
・マクロ経済学:近代経済学の一つ。個を集計した一国の経済の流れ、全を対象にする。
・マルクス経済学:資本主義経済を対象にした研究分析。
様々な分野で研究をしているけれど、
その目的は「人々の経済活動を良くする」ことになる。
どうしたら世の中が豊かになるか、
失業者を減らすにはどのような政策が必要か、
なぜ社会でこういうことが起こるのかを研究する。
そういった分析に、
前に言った「ゲーム理論」や「心理学」の考えを使う
新しい方向の経済学も進んでいるんだ。
知識は単一ではなく、つながってるってことだね。
H「人のための知識って感じですね!」
U「自分の興味のある分野を見つけるといいよ」
H「一年の間に見つけたいですね!」
U「そうだね。今は何かとホットな学問かもしれないし・・・」
「自分のいる社会の仕組みを知るきっかけとして良い学問分野だよ!」
第5回 第二外国語ってなに?
H「1年生で必修の『外国語』ってなんですか?」
U「高校生までで学んだ『英語』ももちろん必修だよ」
H「あ、まだ英語やるんだ・・・」
U「英語は個人のレベルに合わせて段階があるから大丈夫だよ」
H「あまり得意じゃないけど、大丈夫ですか?」
U「人によっては高校よりも簡単に思うかもよ」
H「結局『第二外国語』ってなんですか?」
U「英語も含めて少し解説してみようか」
<大学生が「第二外国語」を少しだけ解説してみた>
第二外国語っていうのは、その名の通り
日本語、英語に続く新しい外国語を習うことをいう。
山形大学では具体的に以下の種類があるよ。
中国語 韓国語 ドイツ語 フランス語 ロシア語
留学生向けに日本語もあるんだよ。
他の大学がどうか、詳しくは言えないけど、
少なくとも山形大学は「週2回」英語も第二外国語もあるよ。
英語は「RとC」に分かれていて、
教科書を読み理解する授業と会話練習等の授業だね。
第二外国語も似たような構成になっている。
確かに大変かもしれないけど、
1年で基本が学べると思うといい機会だね。
H「種類があってどれがいいかわからないですね」
U「学業の第一歩は興味を持つこと、だよ」
H「ヨーロッパ旅行とか行ってみたいからフランス語とか?」
U「やる気があればきっと楽しくできるよ」
「言語は人と人を繋ぐもの、新しい世界を探しませんか」
第6回 スタートアップセミナーってなに?
H「1年生の前期って、どんな学部でも共通の必修講義がありますよね?」
U「大学での生活や講義全般で必要となる知識を習う講義だね 」
H「なんか難しそうですね」
U「確かに、これは内容が固定ってものじゃないからね」
H「担当の先生も違うんですか?」
U「学部・学科・コースで4年間お世話になるであろう先生だろうね」
H「じゃ、いいイメージ持ってもらえるようにしたいですね!」
U「あはは・・・。とりあえず、体験談も入れて紹介しようか」
<大学生が「スタートアップセミナー」を少しだけ紹介してみた>
大学になると、高校までの宿題とかとは違い、
レポート課題が増えてくる。
レポートには書き方の決まりがいくつかあるんだ。
だからその書き方の説明なんかを教わる。
高校までに、国語なんかでディベートをやったことはあるかな?
大学には授業の形式に「演習」や「実習」といったものがある。
こういった授業では自ら率先して発表したり、
配布物(レジメ、と言われる)の作成なんかをするんだ。
集団の場での発表の練習なんかも大学ならではだね。
パワーポイントやエクセルの使い方も大事だね。
上の続きにもなるんだけど、大学の授業では
しばしば「輪読」という課題が出るんだ。
これはね、教科書や参考書等の指定された範囲を、
自分で読み、理解し、まとめて他の人に伝えることをいう。
これの練習なんかもするね。
他にも、専門分野の基礎中の基礎もやるね。
工学部なら技術者倫理なんていう
技術者の基本的考えや教えなんかをやるんだ。
もちろん、教育学部なら教育倫理になったり、
情報科学ならプログラミングの概念なんかもだね。
ここに紹介したのを全部やるってことではないんだ。
担当の先生が必要そうなのを教えてくれる。
もちろん、ここに書いたこと以外もやるかもしれないね。
H「でも、基本的なことなら知ってることもあるんじゃないですか?」
U「大学という環境での再確認、これは大事だよ」
H「なんか大学に対する不安が解消されそうですね」
U「ちゃんと聞いて実践すれば、怖いことはないよ」
「過去はわからないが、大学でのスタートはここだよ」